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瀬古土地家屋調査士事務所

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空き家問題について(前半)

2022.06.12

こんにちは、瀬古土地家屋調査士事務所の瀬古です。

 

測量や現場調査に出かけて思うことが、空き家問題の深刻さです。

日々の仕事を通じて、空き家の増加をまざまざと感じてしまいます。

 

少子高齢化の中でも住宅総数は伸び続け、空き家の伸びが住宅総数の伸びを上回っているようです。

空き家率の上昇ランキングでは、1位が三重県(上昇率22.9%)で、2位は愛知県(上昇率22.8%)となっております。

 

現在の空き家の数は全国で約80万戸、空き家率にすると約13.5%とのことで、2040年には空き家率が40%超え、お隣が空き家は当たり前の時代がやってきます。

2軒に1軒、3軒に1軒が空き家となると、下水管のような社会インフラ設備の老朽化などの問題が多く生じてきますし、想定外の様々な不都合が生じてくる事でしょう。

具体的な空き家率のデッドラインは「30%」と言われており、空き家率が30%を超えると財政破綻が起こります。

2007年の北海道夕張市財政破綻時、空き家率は33%でしたし、2013年のデトロイト市財政破綻時、空き家率は30%でした。

 

海外に目を向けると、イギリスの空き家は率3%程度、ドイツの空き家率は1%程度で推移しているようです。空き家率が低い要因としては、住宅取引のうち90%近くが中古住宅となっています。中古といえど超寿命で質も高く、建物の歴史的価値を重んじメンテナンスにも熱心です

一方で、日本の空き家率が高い理由は、高度成長期における新築の大量供給に端を発します。

高度成長期から平成初期は多くの人が地方から東京・大阪・名古屋に移動しました。

マンションの建設ラッシュや狭小住宅が一気に増加し、都心で新たな住生活を始めたが、地方に残してきた両親が亡くなり家が残る。

地方から人口流出 → 地方・ニュータウンの過疎化。空き家増加の流れが止まることはありませんでした。そして今も新築住宅の過剰供給が続いています。

 

最近では、空き家の有効活用がテレビやネットなどでも紹介されています。

しかし、現在の「空き家有効活用」は根本対策とはなっておらず、そもそもの空き家増加を抑制することはできていません。

空き家対策特別措置法もありますが、朽ち果て寸前の建物に対する対処療法でしかなく、すでに10年も20年も放置された空き家の対策でしかありません。

一口に空き家と言っても、まだまだ住める空き家、人が住むのが困難な空き家、朽ち果て寸前の空き家、など実際にはいろいろな空き家あります。

現状は、まだまだ住める空き家が蓄えられて行っている状態ですが、これらが放置され続け、朽ち果て寸前の空き家が爆発的に増えてくると予想されます。

 

次回に続く。

三重県・愛知県で測量のご相談なら瀬古事務所まで

瀬古土地家屋調査士事務所では、三重県桑名市を拠点に、測量・登記申請サービスをご提供しています。
桑名市以外にも三重県四日市市、いなべ市、鈴鹿市、愛知県名古屋市、東海市など多岐にわたる地域で調査しております。

土地家屋調査士事務所と一級建築士事務所を併設し、測量登記のプロとしてだけでなく、建築士の視点も活用したサービスをご提供。
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