こんにちは。瀬古土地家屋調査士事務所 測量士の志知です。
今回は、測量のお話でも少し!?マニアックなお話です。私たちが普段目にする地図をつくる、土地の境界を決める基準になる点のお話です。
地図をつくるにはまず三角点というのが必要となります。
明治39年 帝国陸軍参謀本部陸地測量部(現・国土地理院)が日本地図最後の空白地帯で未踏峰の劔岳の測量を決定します。
明治時代の測量士として有名な、柴崎芳太郎測量官が案内人宇治長次郎さんらと
明治40年春から半年かけて越中劔岳を中心に周辺の山々に三等三角点を設置しました。
しかし、劔岳はガレ場で登頂するだけでも険しい山でしたので、三等三角点用の資材があげれず、四等三角点となりました。(四等は点の記には載らない。国土地理院には、柴崎芳太郎測量官による観測手簿は保管されているらしい。)
この三角点が全ての測量の基準となり、地図が作られ、法務局に備え付けられている旧土地台帳附属地図など色々な形で現在の地図に反映されています。
地図一つをとっても私たちの知らない苦労があり、その苦労のおかげで便利な生活が出来ています。
私は、三角点ではありませんが、1級基準点埋設から観測、点の記作成と一連の作業を経験したことがあります。現代でも大変な作業を明治時代の測量技術でやりとげた柴崎芳太郎測量官は、私の憧れの測量士です。
今回は、かなりマニアックなお話でした。次回は、『測量の種類』について何回かに分けてご説明できたらと思います。